フランス大統領選挙において、独立系のマクロン氏が当然を確実にし、世間を騒がせた国民戦線のルペン党首は結果として国民に拒絶された形となった。先のオランダ総選挙と合わせて、これによってイギリスのEU離脱からトランプ大統領誕生までの反グローバリズムの奔流に、ある程度の堤が築かれたような感じだ。
ルペン氏の敗因は、決選投票前の直接討論で露呈した知識不足にあると言われている。手元も見ずに淀みなく話すマクロン氏に対して、資料を探しながら時折言葉に詰まったりしながら相手を批判するルペン氏に、フランス国民は「大統領の器ではない」という判断を下したのだろう。
ただ、これで世界的な反グローバリズムへの流れが止められた、と考えるのは早計だ。世論が彼女に同調した事実が無くなるわけではないからだ。事実、この選挙で投票を棄権、もしくは無効票を投じた有権者は、全体の3分の1に上る。この数字は、フランス国民の中に「反EU・反移民・反既存政治」という感情がいまだ根強く存在することを示しているように思う。ルペン氏が敗れた理由は要するに、彼女がそれらの感情の受け皿となれるだけの信頼性を得られなかったからだろう。今後、彼女に替わる、彼女よりも優れた資質を持った政治家が現れたなら―――そして、その時までに既存政治が国民の不満・不信を拭えていなければ―――再び反グローバリズムの感情が堰を切って溢れ出す、と私は見ている。
さて、次は9月のドイツ総選挙である。
2017/04/07
雑記:トランプノミクス
国際ニュースと経済ニュースを見ていて、ふと思ったこと。
現在の世界経済の動向には、実際の商取引よりも、むしろ短期的な売買で利ざやを稼ぐ投機筋が大きな影響を与えているように思う。株式市場や為替市場に動きがあると、専門家たちはその理由を分析し説明するが、それをずっと聞いていると、どうも後づけで理由を付けているような気がしてくる。
トランプ大統領が当選した時、為替市場ではリスク回避の円高が加速したが、その直後、手のひらを返したように一気にドル買いの流れに動いた。トランプ大統領の掲げる保護主義によってアメリカ経済が今後良くなるという予想から株価も高騰した。それまで「トランプが大統領になったら世界がメチャクチャになる」と不安感を煽っておいてからの押し目買い。まるで世界経済が投機筋のマネーゲームに翻弄されているかのようだ。
現在の世界経済の動向には、実際の商取引よりも、むしろ短期的な売買で利ざやを稼ぐ投機筋が大きな影響を与えているように思う。株式市場や為替市場に動きがあると、専門家たちはその理由を分析し説明するが、それをずっと聞いていると、どうも後づけで理由を付けているような気がしてくる。
トランプ大統領が当選した時、為替市場ではリスク回避の円高が加速したが、その直後、手のひらを返したように一気にドル買いの流れに動いた。トランプ大統領の掲げる保護主義によってアメリカ経済が今後良くなるという予想から株価も高騰した。それまで「トランプが大統領になったら世界がメチャクチャになる」と不安感を煽っておいてからの押し目買い。まるで世界経済が投機筋のマネーゲームに翻弄されているかのようだ。
2017/03/31
雑記:世界の収縮と拡散
第一次大戦から第二次大戦、冷戦とその終結、そしてグローバリズムの興隆と反グローバリズムの台頭。
世界は分裂と融合を繰り返している。
分裂の理由はそこに不純物があるからだが、分裂しても融合していた記憶は残り、不純物が取り除かれた後はより容易な再融合を可能にする。また、きれいに融合していた部分は分裂せずに残る。
要するに結局、分裂する力より融合する力の方が強いのだ。
だから、再統合する度に国際社会はより大きな塊となっていくのである。
世界は分裂と融合を繰り返している。
分裂の理由はそこに不純物があるからだが、分裂しても融合していた記憶は残り、不純物が取り除かれた後はより容易な再融合を可能にする。また、きれいに融合していた部分は分裂せずに残る。
要するに結局、分裂する力より融合する力の方が強いのだ。
だから、再統合する度に国際社会はより大きな塊となっていくのである。
2016/11/09
米大統領選と民主主義の限界
今日、いよいよアメリカ大統領選の投開票が行われる。これまでもそうだったように、世界で最も影響力を持つアメリカ大統領の選挙は、アメリカ国内だけでなく世界全体の今後を方向付ける重要なものとなるだろう。ただ、今回の大統領選はこれまでのものとは大分異なり、混沌とした様相を呈している。
その台風の目となっているのは言わずもがな、共和党の大統領候補ドナルド・トランプという存在である。彼自身の大統領としての適正や資質はともかくとして、ひとつハッキリしているのは、彼の言葉や態度に驚くほど多くの人々が共感しているという事実だ。
トランプの大統領選のスローガンは『Make America Great Again』であるが、この『America』とは要するに『白人』のことである。あるいは、『白人中心のアメリカ』と言い換えてもいい。つまり、自由競争に敗れ、下流階級に落ちぶれた白人が、自分たちの自信を取り戻してくれそうなドナルド・トランプに、こぞって期待を寄せているのである。そこからは第一次世界大戦の敗戦、およびそれによって課せられた莫大な賠償金と様々な制約によって、失意のどん底を這いずっていたドイツ人が、圧倒的なカリスマを備えたヒトラーに魅了されていったのと同じ構図が見られる。
その台風の目となっているのは言わずもがな、共和党の大統領候補ドナルド・トランプという存在である。彼自身の大統領としての適正や資質はともかくとして、ひとつハッキリしているのは、彼の言葉や態度に驚くほど多くの人々が共感しているという事実だ。
トランプの大統領選のスローガンは『Make America Great Again』であるが、この『America』とは要するに『白人』のことである。あるいは、『白人中心のアメリカ』と言い換えてもいい。つまり、自由競争に敗れ、下流階級に落ちぶれた白人が、自分たちの自信を取り戻してくれそうなドナルド・トランプに、こぞって期待を寄せているのである。そこからは第一次世界大戦の敗戦、およびそれによって課せられた莫大な賠償金と様々な制約によって、失意のどん底を這いずっていたドイツ人が、圧倒的なカリスマを備えたヒトラーに魅了されていったのと同じ構図が見られる。
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