【戦後型成長モデルの破綻】
ーーー皆さん、こんばんは。『左脳の脳内対談』のお時間です。本日はゲストに右脳さんをお招きして、日本の今とこれからについて伺って参ります。右脳さん、よろしくお願いします。
右脳: よろしくお願いします。
ーーー第一回の今日は、日本の現状について伺いたいと思います。昨今、日本の少子高齢化はますます深刻化し、国の借金は増え続け、年金や社会保障制度の破綻が囁かれています。そして、その何れも解決策どころか、悪化を食い止める目処すら立っていないのが現状です。かつて世界第二位の経済大国だった日本が、何故このような状態になってしまったのでしょうか?
私は何も特別な事では無いと考えます。これらの問題は日本だけでなく、多くの先進諸国に共通するものです。言わば、ある程度成長しきった国に宿命的に訪れる凋落期です。日本は他の先進諸国と比べても急激な成長を遂げたので、凋落もまた急速なのでしょう。
ーーー急激な成長、つまり、高度経済成長期に原因があるということでしょうか?
そうですね。今、破綻しかけている様々な制度や体制は、そのほとんどが高度経済成長期に作られたものです。しかし、日本人は未だに高度経済成長期を礼讃し、その実体と向き合う事をせずにいます。
ーーー高度経済成長期の実体とは?
高度経済成長は、一定のレベルに達した発展途上国の経済が急速に成長する、極めて普遍的な現象だと言えます。どの国にも一度だけの訪れるボーナスタイムのようなものです。日本人はそれを『日本人の勤勉さと真面目さが可能にした日本だけの特別な成功』だと勘違いしてしまった。