2012/12/14

Nepal-102: 水が無い

9月。
ジメジメした雨季もようやく終わろうかという頃、私はポカラに舞い戻った。
これから11月くらいまでにかけてが、ネパールのベスト・シーズンだ。
この時期は暑くもなく寒くもなく、過ごしやすい日が続く。
また、比較的天気の良い日が多いので、ヒマラヤの山々が一年で最も綺麗に見える時期だ。
私のホステルからも富士山の倍以上もある白い峰々が一望できる。

さて、そのホステルであるが、最近ちょっと困った問題を抱えていた。
水が無いのである。


これはうちのホステルに限った事ではなく、ポカラ全体が水不足に陥っているのだ。
雨季の後なのに水不足、という訳の分からないこの状況。
原因は、山の方から引かれている水道のパイプラインが、雪崩によって流されてしまったことによるという。
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月ごろに起きたこの雪崩は日本のニュースでも報じられ、多数の死者が出たことは私も知っていた。
それから4ヶ月たったが、深刻なダメージを受けたパイプラインは、いまだ復旧できていないらしい。
おかげでポカラは週に12回、数時間ほどしか水が来ないような状況にある。

ネパールの都市部にある家では、大抵どこも屋上などに貯水タンクを備えている。
ホステルにあるタンクは、ステンレス製の一辺が1.5メートルの立方体型で、満杯になれば一週間くらいは保つ。
これまでにも断水によって一時的に水が無くなることはあったが、長期間タンクが空になるのは初めてだ。
こうなって初めて、水というものが生活する上でどれほど重要なものかを実感する。
朝起きて顔を洗えない。トイレも流せないし、手も洗えない。料理もできない。ご飯も炊けない。
無いモノだらけのネパールで、その不便な生活にも随分と慣れてきたが、水が無いことの不便さは他とは比較にならない。
実際のところ、電気が無くても慣れてしまえばそれほど困らないものだ。
しかし、水が無い生活には決して慣れることは出来ないだろう。
とりあえず当面は、予備のポリタンクに水を貯めておきつつ、普段から節水を心がけさせ、しばらく様子を見ることにする。

ネパールの村には、未だに何時間も歩いて子どもたちが水を汲みに行くような所もある。
こういったインフラ整備がこの国の発展には不可欠なのだが、外国からの援助が入っているにもかかわらず、これらは一向に改善する気配がない。
援助を受けるネパール側に問題があるのは明白だが、アメリカや日本など、援助をしている先進国側にももう少し慎重にお金を使ってもらいたいものである。

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