2014/07/28

Nepal-128: 迷い

シュレンドラは3年前、私がホステルを開いて最初に連れてきた二人の生徒の内の一人だ。
彼ともう一人の生徒・ビルはSG小学校を卒業した後、共にポカラの私立校へ進学した。
二人の性格は対照的だった。
シュレンドラは頭の回転が速く、好奇心も旺盛だが、若干気分にムラがある感じだ。
一方のビルは、地道にコツコツと積み上げるタイプで、瞬発力は無いが安定している。
総合成績はこれまでのところ、常にシュレンドラが上回っているが、最近はビルも数学などでシュレンドラを追い抜きつつある。
彼らが私立校に進学してからもう3年になるが、これまで二人は順調に学力を伸ばしてきていた。
しかし、このところ、シュレンドラに何やら異変が見られるようになってきたのである。
以前は約100人いる学年の中で15位くらいだったのが、ここ半年の間に25位くらいまで落ちてしまったのだ。
100
人中25位も決して悪い成績ではないが、これだけ急激に下がるとなると流石に放置しておけない。
それまで順調だったのが急に悪くなったのには、必ず何か理由があるはずだ。
それがどんなものなのかを一刻も早く見極め、手遅れになる前に適切なケアをする必要がある。

2014/06/23

Nepal-127: 上がる子/下がる子

20141月末日――私はネパールに戻って来た。
‥‥こういった書き出しもいい加減飽きてきたが、振り返ってみれば日本とネパールを往復しはじめて、もう6年か7年くらいになる。
もはやハッキリと思い出せないくらいの時間同じような事を続けていると、くたびれた中年サラリーマンのように日常から新鮮な感動や驚きが失われていく。
これは海外滞在型のブロガー(?)としては、致命的な状態である。
本来、ネパールなどテレビでしか観たことの無い読者に、ネパールで目にした「日本ではあり得ない光景」や「現地の風習」やなんかをお届けしなくちゃいけないのだが、現地に馴染みすぎて普通の日本人の感覚が分からなくなりつつあるのだ。
はっちゃけてるヒンドゥー教のお祭りだとか、恒例のガソリンスタンド前の大行列だとか、道交法の気配すら感じさせない『人・ヤギ・人』の3人(?)乗りバイクだとか、以前なら写真にとってアップしていたのが今ではカメラを出すことさえ頭に浮かばない有り様である。

2014/01/12

Nepal-126: 制憲議会選挙~続報

前回の記事からだいぶ間が空いてしまったが、先月行われた制憲議会選挙(憲法を作るメンバーを決める選挙)の結果を一応書いておこうと思う。
幸いにも選挙は無事に終わり、その後も特に大きな混乱は見られないようだ。
注目の選挙結果は、親インド派ネパール会議派(コングレス)が全601議席中196議席を獲得し第一党となった。
ついで、穏健派のネパール共産党統一マルクス・レーニン主義派(CPN-UML175議席で第二党。
一方、あのマオイストはというと、たったの80議席しかとれず大敗となった。
まぁ、これが前回の選挙以降の彼らに対する評価なのだろう。
マオイストはマオイストで「選挙に不正があった」と主張しているようだが、これもある意味、予想通りの反応なので誰にも相手にしてもらえないようだ。
大負けしたことで逆ギレして、また武装闘争を始めるという懸念もあったが、どうやら既にその力も失くなっているようである。
これで停滞していた憲法作りが、ようやく再開されそうである。
ただ、第一党のコングレスも単独過半数には届かなかったので、協議でまた揉める事になりそうだ。
それでもネパール最初の政党であるコングレスが第一党になったので、いくらかは期待が持てそうではある。
私としても、中国が後ろで糸を引いている(であろう)マオイストよりも、インド寄りのコングレスの方がよっぽどマシな気がする。