2012/08/05

Nepal-094: 所要48時間

年が変わり、2012年。
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月もそろそろ終わりに差し掛かろうかという頃。
例年通り、私はネパールに向かい、成田を発った。
今回の便は、エア・インディアのニューデリー経由・カトマンズ行きである。
この航空券はネパールで買ったので、日本の旅行代理店で買うよりも3割ほど安かった。
ただ問題は、ニューデリーでの乗継ぎ待ちが13時間以上もあるという点だ。
もしかしたらホテルを手配してくれているかも知れないという淡い期待は当然のごとく一笑に付され、予想通り、空港の出発ロビーで一夜を明かす事になったのである。
――――と言っても、現在のニューデリー空港はとても広く清潔で、店などもたくさんあって過ごしやすい。
横になれる長椅子もあるので、一人旅ならわざわざ外に出てホテルに泊まるまでもない。
インドといえば治安の悪さで有名だが、この空港内はまるで国の威信をかけて警備しているかのような印象だった。
一応、手荷物への注意を呼びかけるアナウンスは頻繁に流れていたが、一瞬も気を抜けない長距離列車の旅とは比べ物にならない安心感だ。

そんなこんなもありつつ、翌朝、私はネパールの首都カトマンズに到着した。
今回もビザ代の一番お得な3ヶ月コースでの滞在だ。
この時期からの3ヶ月は、学年末テスト、卒業、そして進学といったイベントがある、とても重要なシーズンなのだ。
それに加えて今回は、昨年オープンしたホステルがきちんと運営されているかの確認と、問題点や改良点の検証などもしておく必要がある。
また、ホステルで自活を始めたビルとシュレンドラの二人が、新しい環境でも以前と変わらず好成績を維持できているか、確かめなくてはならない。

さて、ここからポカラに移動していくわけだが、今回は少し奮発して空路で行く事にした。
カトマンズからポカラまでは200kmほどしかないが、 陸路で移動すると6時間以上もかかってしまう。
というのも、ネパールの大部分は入り組んだ山地なので、自然と道路も地形に沿ったクネクネ道になり、スピードが出せないのである。
さらに、道幅も対向車がギリギリすれ違える程度しかないので、ほぼ毎日どこかしらで事故が起き、渋滞を引き起こしている。
一方、空路なら一時間もかからずに着いてしまうのだ。
それに、今はシーズンオフなので料金もそんなに高くはない。

ちなみにネパールのハイシーズンは1011月と3月頃だ。
これらの時期は暑くも寒くもなく、雨も少ないのでとても過ごしやすい。
また、晴天に恵まれる事が多いので、よほど運が悪くない限り、標高70008000m級の山々を拝む事ができるだろう。

ポカラに向かう飛行機の窓からは、雲の上に突き出たヒマラヤの山々が見える。
古い小型プロペラ機の乗り心地は決して良くはないが、景色は素晴らしい。
あとは落ちない事を願うのみである。

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