少し固有名詞が増えてきたので、一度ここで整理してみたいと思う。
・ ビル(男/13歳): 2011年のSG小学校卒業生。現在は私立KH学園に在籍。
・ シュレンドラ(男/12歳): 同上。
・ ススミタ(女/13歳): 2009年のSG小学校卒業生。現在はシャムロック・スクールに在籍。
・ キーラン(男/11歳): 同上。ススミタ、サビナとは姉弟。父親は既に他界。
・ サビナ(女/18歳): ススミタとキーランの姉。公立校で10+2年の基礎教育を修了している。かなりマイペース。
・ KH学園: ポカラにある生徒数1600人超のマンモス私立校。幼児クラスから12年生まである。
・ SG小学校: 私が教師をしている公立小学校。ポカラから20kmほど離れたラムガディ村にある。生徒数は70~80人。
てなわけで、私はサビナに話を聞いてみる事にした。
彼女の希望は大学へ進学し、経営学の学士号を取得する事らしい。
しかし、私立に行くお金は無いので、奨学金の出る国立のポカラ大学を狙っているという。
基本的にネパールで公立校に通う生徒は貧しい家庭の子供か、あまり重要視されていない女子だ。
そういった事情もあり、国立大学などでは公立校の卒業生に対して、奨学金などの優遇措置があるのだという。
正直、何か時間軸でもズレてるようなこのサビナ嬢が、奨学金の審査に通るかどうかはかなり疑わしい。
だが、当の本人からは何の危機感も感じられない。
聞けば、彼女のいた12年生のクラスには他にも10人ほど生徒がいたらしいが、最終試験をパスできたのは彼女一人だけだったらしい。
「いや、それは、クラス全体のレベルが低過ぎたんでしょ」と心の中で突っ込んでみるが、どうもサビナには自分の置かれている現実がよく見えていないような気がする。
公立校に12年間いたという事は、私立の生徒たちに大きく遅れを取っているという事だ。
そんな相手と同じフィールドに立つというのがどれだけ厳しい事か、更に、そこで落ちこぼれず周りに付いて行く事がどれだけ困難な事か、彼女にはまるで想像できていないように思える。
農村の住人、特に教養の低い人々には、こういった客観性が欠けている事がよくある。
――――と、まぁ、そんなような事を私はサビナに懇懇と言い聞かせた。
ただ実際の所、私もサビナの学力がどれくらいかは把握していない。
あるいは、もしかしたら奨学金の審査に通ってしまう可能性もゼロではないのだ。
彼女の希望は大学へ進学し、経営学の学士号を取得する事らしい。
しかし、私立に行くお金は無いので、奨学金の出る国立のポカラ大学を狙っているという。
基本的にネパールで公立校に通う生徒は貧しい家庭の子供か、あまり重要視されていない女子だ。
そういった事情もあり、国立大学などでは公立校の卒業生に対して、奨学金などの優遇措置があるのだという。
正直、何か時間軸でもズレてるようなこのサビナ嬢が、奨学金の審査に通るかどうかはかなり疑わしい。
だが、当の本人からは何の危機感も感じられない。
聞けば、彼女のいた12年生のクラスには他にも10人ほど生徒がいたらしいが、最終試験をパスできたのは彼女一人だけだったらしい。
「いや、それは、クラス全体のレベルが低過ぎたんでしょ」と心の中で突っ込んでみるが、どうもサビナには自分の置かれている現実がよく見えていないような気がする。
公立校に12年間いたという事は、私立の生徒たちに大きく遅れを取っているという事だ。
そんな相手と同じフィールドに立つというのがどれだけ厳しい事か、更に、そこで落ちこぼれず周りに付いて行く事がどれだけ困難な事か、彼女にはまるで想像できていないように思える。
農村の住人、特に教養の低い人々には、こういった客観性が欠けている事がよくある。
――――と、まぁ、そんなような事を私はサビナに懇懇と言い聞かせた。
ただ実際の所、私もサビナの学力がどれくらいかは把握していない。
あるいは、もしかしたら奨学金の審査に通ってしまう可能性もゼロではないのだ。
ちなみに大学は秋から始まるので、入学試験はつい先月行われたらしい。当然、サビナも受験している。
数日後には合格発表がされ、その時に奨学金の合否も分かるという。
というわけで、まずは大学入試の結果を見てから、これからの事について話し合う事にした。
数日後には合格発表がされ、その時に奨学金の合否も分かるという。
というわけで、まずは大学入試の結果を見てから、これからの事について話し合う事にした。
そして、数日後。
いつものように特別クラスをやった後、私はサビナの家に結果を聞きに行った。
結果は、奨学金の審査に落ちたとの事だった。‥‥‥‥予想通りだった。
ついでに、入試自体にも落ちたとの事だった。‥‥‥‥予想以上だった。
というか、奨学金がどーのこーの言うレベルじゃないじゃん。
サビナ自身も、事ここに至ってようやく自らの置かれている状況をそこはかとなく認識し始めたようだ。
こうしてホステル作りは出航前から暗礁に乗り上げたのだった。
いつものように特別クラスをやった後、私はサビナの家に結果を聞きに行った。
結果は、奨学金の審査に落ちたとの事だった。‥‥‥‥予想通りだった。
ついでに、入試自体にも落ちたとの事だった。‥‥‥‥予想以上だった。
というか、奨学金がどーのこーの言うレベルじゃないじゃん。
サビナ自身も、事ここに至ってようやく自らの置かれている状況をそこはかとなく認識し始めたようだ。
こうしてホステル作りは出航前から暗礁に乗り上げたのだった。
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