今年、生徒たちが受験する学校は、最終的に二つの候補に絞られた。
一つはポカラで最も評判の良い学校のひとつである『マザーランドHSS』(以下、マザーランド)という学校で、生徒数は1500人ほどに及ぶ。
ちなみに、ここの校長とはFMラジオ・チュヌムヌのオフィスで会ったことがある。
彼自身も数学を教えているので、その時はまだ構想の段階だった数学コンテストの話にも大いに関心を示してくれた。
また、根本的な『教育』の考え方にも、私の意見と共通する部分が多かった事を覚えている。
もう一つはあまり有名ではないが、昨年の数学コンテストで優勝者を始め、何人も上位入賞者を出した『KEF HSS』(以下、KEF)という学校だ。
数学コンテストの成績だけで全てを判断することは出来ないが、彼らの答案からは基礎力の高さが感じられた。
生徒の基礎力が高いということは、教師がポイントを押さえた丁寧な指導をしている事を示しているように思う。
それには学校の方針だけでなく、教師自身のやる気が不可欠である。
私が学校選びで最も重視するのは、「教育の質向上に対する熱心さ」である。
私立校の中には教育の質よりも、学校の規模を拡大して儲けを増やすことしか考えていないようなのも多い。
KEFは生徒数がマザーランドの半分ほどとそれほど大きい学校ではなく、校舎もこじんまりとしているが、「名を捨てて実を取る」ような雰囲気に好感を覚える。
マザーランドとKEFはどちらも教育そのもの、つまり、生徒の将来を第一に考えていると見る事ができる。
それが私がこの二つの学校を候補に選んだ理由だ。